『 銀行員は財務のプロフェッショナル? 』 -2021年09月29日号

「うちの会社も将来大きくなったら、息子の代でメイン銀行から財務のプロとして銀行員を受け入れようと考えている」

私がこの業界に入った15年前に比べれば、だいぶ見聞きすることは減りましたが、未だにこの言葉、聞くんですよね。
社長のみなさん!本当にそう思っていますか?

だとしたら、もっとお金の使い道、考えられてはいかがでしょうか?
と言ってしまいますね。

ただ予め断っておきますが今回はあくまでも誰がという話ではなく、相対的な観点としてお聞きください。銀行員でも優秀な方は後述しますが多数いらっしゃいますので。。。

財務に期待することってなんでしょうね。資金調達? 企業分析?
分析なんて機械・ITで出来てしまいますし、資金調達っていっても決算書審査が80%以上を占めていますので財務のスキルなんて必要ありません。

まあ、決算書を良く見せるためのテクニック的なものはありますが、その程度のことを期待されているのであれば、それは財務のプロでは無く、融資のプロとして資金調達コンサルをスポットで雇えば十分です。

それが目的で銀行員を雇うのであれば、審査する側にいた人間として融資審査対策は出来るでしょうから、恐らく目的は満たされるでしょう

財務のプロフェッショナルという方々は、先程の分析・調達スキルは前提でもっています。その上で、60ヶ月の資金繰り表、5カ年計画、個別採算表などは当たり前に出来ます。そしてなにより経営財務が意思決定のツールであることを理解されています。

そのため、ビジネスモデル・相関図から企業実態を数値で掴み、あるべき姿からの課題設定を行い、ボトルネックを解消するための仮説を設定します。

その仮説検証のための個別採算表などの数値把握資料を作成することで効果検証を社長に提示し、どこまでアクションが進めば、会社数値の変化と最終的な決算書の変化がどの様になるのか? が分かる情報を提供します。

それにより初めて経営における意思決定のツールになり得るのです。

昔お会いした優秀なバンカーがそうでした。富士銀行出身の方で、社長さんから日常会話で商売の情報を聞くことで頭の中で決算書を創りあげ、課題設定と必要な融資提案までされてました。
この方は財務のプロとは自称されていませんでしたが、プロの域に入るでしょうね。

最近はそういったバンカーと呼ばれる方が本当に少なくなりました。
だからこそ我々は商売をさせて頂いているのかもしれません。

あなたにとって財務は必要でしょうか?
これまで我流での財務をやられていたのであれば、一度周りにいらっしゃる専門家の方々のアドバイスを受けられるのも良いかと思います。商売の投資効率・確率を上げることが出来る有用な情報となり得るかもしれません。

資金がダブついている今だからこそ、何に投資するかはより大事になるかと考えます。

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