『 共有して、共通の認識にする 』 -2013年07月17日号
御社でも、社内において、社員同士でいろいろな情報共有をする機会があるかと思います。
上から降りてくる情報もあれば、下から上がってくる情報もあります。
情報を共有する場を設けることで、浸透の範囲とスピードが増してきます。
こうして、社員が情報を共有することによって、社員が「共通の認識を持つ」ことができます。
いかに、多くの社員が、この「共通の認識」を持っているかで、物事の推進力の大きさが決まると言っても過言ではありません。
事例を挙げます。
朝礼において、社長から、不良率を改善する、といった発表があったとします。
現場社員は、不良率の改善、という会社の方針に対して、取り組みをおこなわなければいけません。
さて、これで現場社員は動けるでしょうか?
この情報だけで自ら動き、成果を上げている現場社員は極めて優秀な方です。
通常は、この方針が発表されただけでは、現場社員は動くことができず、当然、成果も上がりません。
経営者や幹部社員等の管理者は、会社の方針(ここでは、不良率の改善)を伝えるとともに、現在の状況と、今後の目標と、それを達成するために必要と思われる具体的な行動を、現場社員と一緒に考えて、文章化してあげなければなりません。
例えば、
A製品の現在の不良率は5%で、それを2%以内に抑えることを目標とする。B製品は現状6%の不良率を3%以内に抑えることを目標にする。そうすることで、○○○円の利益増加につながる。期日は3か月後とする。
といった具合にです。
次に、不良品が発生している要因が何なのか、を考えます。
現場社員の声を拾い上げ、人のせいなのか、材料のせいなのか、設備のせいなのか、方法のせいなのか、環境のせいなのか、等を分野ごとに書き上げていきます。
そうして、ある程度、出揃ったところで、個々の項目を文章化します。
また、どれから取り組むかの順番を決めます。
どなたがやっても同じ行動になるように、「具体的な」文章にします。
(場合によっては、画像や映像で表しても構いません)
あとは行動計画として決まった項目を、その文章(画像・映像)の通りに、現場社員が実行しているか、を管理者が確認していきます。
現場社員へは、成果を出す行動をしているか、ではなく、行動計画として決まった取り組みを、その通りに実行しているか、を見ます。現場社員は決められた行動計画に沿って取り組んだことが評価されます。
その結果、まず、現場社員が、行動計画に沿って取り組んだのか、取り組んでいないのか。
次に、取り組んでいない場合は、できない取り組みなのか、ただ、していないだけなのか。
最後に、取り組めていた場合に、成果は出たのか、出ないのか。
こうしたことを、順を追って詰めていきます。
その過程が、現場社員の評価につながり、成果は管理者の評価につながります。
行動計画どおりに取り組んだのにもかかわらず、成果が出ない行動は、別の行動計画に変更して改めて取り組みます。
行動して成果が出た取り組みは、そのまま継続します。
あとは、3か月という限られた期間のタイムスケジュールを組んで、表にして、全員で進捗状態を確認できる状態をつくります。
こうした過程の中で「共通の認識」作り上げていきます。
社員が言ったことをやらない、と嘆いている経営者を見聞きすることが、ままありますが、それはおそらく、社員側が「共通の認識」になっていないので、どうやったらよいのか、わからないのです。
そこまで、手取り足取りしなければならないのか、というご意見も出てきそうですが、それが中小企業です。中小企業にあったやり方ができれば、きっと成果は上がってきます。
今回の情報が、ご参考になれば幸いです。
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