『 日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資事例 』 -2012年12月26日号

中小企業にとってのメイン行は、信用金庫や地方銀行となることが多く、また、そうした形が好ましくもあります。

これらの民間銀行の他に、サブ銀行として、うまく活用してきたいのが、日本政策金融公庫(国民生活事業)です。

日本政策金融公庫はご存じのとおり政府系金融機関です。

民間銀行でよくある信用保証付き融資といった類のものはなく、すべてプロパー融資となります。そのため、保証協会付き融資と比べ、きちんと審査する印象があります。

ただし、民間銀行の保証協会付き融資といったものとは異なる独自の審査視点があるように感じます。

その独自の審査点を、最近の取り扱った融資取組事例から紹介したいと思います。

ある企業で、創業時に借りた設備資金融資(信用金庫・信用保証付き融資)がこの度終わり、次の展開に行きたいと思っているのですが、その企業には社会保険料の滞納がありました。

信用金庫に、融資のことを切り出してみても、滞納がある時点で保証協会は使えないので難しい、という回答で進展がありません。
(プロパー融資の話も出ませんでした)

そこで、日本政策金融公庫(国民生活事業)へ話を持っていきました。

商工会の会員でしたので、まず商工会に相談し、試算表と事業計画を説明し、その後、商工会経由で、日本政策金融公庫(国民生活事業)に、話を持ち込んでもらいました。
(ちなみに「マル経融資」ではありません)

日本政策金融公庫(国民生活事業)の担当者から、何度か問い合わせがあり、ひとつずつ回答していきました。

その問い合わせの中に社会保険料の滞納の件も出てきました。
それに対しては、年金事務所へは定期的に訪問し、支払計画を立て、それをきちんと実行している点を説明しました。

こうしたやり取りを経営者がしっかりとおこなったことで、今回、日本政策金融公庫(国民生活事業)は、理に適った事業計画であることを評価して、融資を実行してくれました。

民間銀行の門前払いのような画一的な対応でなく、内容を詳細に分析し、中小企業を支援する日本政策金融公庫(国民生活事業)の対応に、本来の金融機関としての姿を見たような気がします。

上記のような事例があるのは事実ですので、官公庁への滞納があるからといって融資取組をすぐにあきらめるのではなく、きちんと支払ができる実現可能性の高い計画を立てることで、資金調達に取り組んでみる選択肢があることもご留意いただければと思います。

今回のメルマガが、ご参考になれば幸いです。

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