『 適切な「検証」はできていますか? 』 -2012年10月03日号

中小企業の経営者のお話を聞いていると、よく耳にすることがあります。

「うちはPDCAのPとDはできるんだけど、Cがやれていない」

せっかく、計画(P)まで、できているのであれば、大変もったいないことです。

結局、検証・評価(C)ができていなければ、計画の意味がなくなってしまいます。

逆に、検証・評価まできちんとできている、という会社はすばらしいです。
ぜひ、検証・評価したものを分析して、新たな改善を実行(A)していってください。

ただし、ここで気を付けていただきたいことがあります。

計画と検証・評価は、きちんと対比できるような内容になっているか、です。

検証をする場合に、よく活用するのが、月次試算表です。

計画ができている企業では、売上高や売上原価、販管費の各勘定科目の金額を、予算と実績で比較していると思います。
(会計ソフトを活用すると管理しやすいですね)

より詳細にするために、補助科目管理や部門別管理をおこなっている企業もあるかと思います。

弊社でも、顧問先企業様の財務内容を確認するときに、上述のように、決算書・申告書の他に、月次試算表や総勘定元帳の内容を確認させていただきます。

そうしたときに目につくのが、同じ取引内容なのに、月によって勘定科目が異なっている点です。
(先々月は車両費、先月は消耗品、今月は旅費交通費といった具合にです)

これだと、いろいろな対比をしても、正確な検証ができません。

前期同月での比較、昨対単月での比較、前月との比較、予算との比較、といった様々な比較分析をすることで、現状の認識を確認することができます。

このデータが正しくなければ比較しても正確な分析をすることができません。

それともう一つ、気に掛かる点があります。

それは、消費税の税込経理と税抜経理です。

税務上、消費税の経理処理は、税込でも税抜でも問題ないことになっております。
ただ、税込経理はあまりメリットが感じられません。

税抜経理をすることで、税金的にも節税になることは多々ありますし、現時点での消費税の支払予定額もつかみやすくなります。

また、今後、消費税率が上がることも予定されています。
そうなると、消費税が上がる前と後での比較がしにくいものとなってしまいます。

これは売上高に限ったことではなく、売上原価や販管費といった経費勘定科目にも該当することです。

何はともあれ、きちんとした適正な検証をおこなうためです。
タイミングにもよりますが、税抜経理をおこなうことをご検討いただければと思います。

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