『 来期の確定申告時期の消費税額は2倍3倍に 』 -2014年07月09日号

担当させていただいている企業様の資金繰りを見るときに、経営者様にも共有するツールとして、月次推移の資金繰り表を使っています。

前年の実績と、今期の見通しから、1年間の予想を立てるのですが、その際、季節変動や毎月生じない支出を注意して織り込んでいきます。

在庫を抱える必要がある業種では、仕入資金を変動的に織り込みますが、そうでない業種であれば、毎月生じない支出を特定月に織り込んでいくことが重要になります。

特定月にある支出として挙げられるものには、賞与・賞与の社会保険料・労働保険・中間納税(法人税等・消費税)・信用保証料、等があります。

1年間の予想を立てていく中で、数値化し「見える化」することで、経営者様も認識を新たにされることがあります。

それが、今回、取り上げました「確定申告時期の消費税額」です。

具体的に数値で「見える化」して、例を挙げたいと思います。
(取引内容は前期・今期とも同様なものと仮定します)

(ケース1)3月決算法人で、消費税の年税額が400万円の場合

中間納税は、前期の年税額の半額を2014年11月に支払うことになります。残額を2015年05月の確定申告時期に支払うことになります。

2014年11月中間納税、400万円÷2=200万円
2015年05月確定納税、640万円(※1)-中間分200万円
=440万円

(※1:640万円=400万円*消費税率8%÷5%)

確定申告時期の消費税納税額が、前期の2.2倍の440万円になります。

(ケース2)3月決算法人で、消費税の年税額が600万円の場合

中間納税は、前期の年税額の4分の1を、2014年08月・2014年11月・2015年02月に支払うことになります。残額を2015年05月の確定 申告時期に支払うことになります。

2014年08月中間納税、600万円÷4=150万円
2014年11月中間納税、600万円÷4=150万円
2015年02月中間納税、600万円÷4=150万円
2015年05月確定納税、960万円(※2)-中間分450万円
=510万円

(※2:960万円=600万円*消費税率8%÷5%)

確定申告時期の消費税納税額が、前期の3.4倍の510万円になります。

この現象は、消費税率が8%から10%に変更されるときにも起こります。

預かっている消費税は、運転資金で紛れてしまうことが充分に起こり得ます。税額を明確に数値化して、意識して確定申告時期の支出額を計算してみてください。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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